2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧
(二村さん) 個人は自立を求めると同時に組織に依存しようとしている。相互依存抜きの自立はありえないのだとの視点を確立する必要があるのではないでしょうか。 (金井さん) ええ、そのとおりです。相互依存ができない人の自立というのはちょっと想像でき…
(金井さん) 「雇用が当たり前の時代ではない」「問われているのはエンプロイアビリティであり雇用される価値を持っているかどうかだ」などと、脅すように言われている。働く側が納得して自らその方向を目指すというのならOKです。でも、それを実践して今…
(金井さん) 例えばアメリカのマイケル・アーサー氏やデニス・ルソー氏はグローバリゼーションの進展で国境という壁や企業の壁、さらにはホームオフィス等の進展によって仕事とプライベートの壁さえも消えていくと主張し、組織にも個人にも「バウンダリーレ…
決められたことを決められた通りに、決められた手順で、決められた締切までに、他の人びとにきちんとやってもらうことだけが、マネジメントではない。われわれの課題は、なにとなにだろうか。 ・ひとを鋳型にはめるのではないマネジメント ・自分も動くマネ…
プロセス・ファシリテータ(過程の促進者)という語を導入して、ジェネラル・マネジャの役割を再考しよう。上に立つ人は、自分のほうが部下よりなんでもよく知っていなければ、という呪縛に陥りがちだ。あらゆることで自分のほうがよく知っているというのは…
参加型の管理は、いくら従業員の考えを反映するための人間主義的な経営といわれていても、これを一律におこなうと、一部の人たちにはお仕着せとなってしまう。人間主義の顔をしているだけに、その押し売りは、非人間主義的な手法の押しつけ以上に、かえって…
学生の期間に個が確立したと自覚しているひとは少ない。そう率直に認めるべきなのだろう。だからこそ、仕事を通じて自分をしっかり探すうえで、会社はさらなる個の成長の場として重要である。自分探しは、仕事を通じてするのでなければ、なかなか難しい。趣…
さて、デザインの反対語、あるいは反対語とまでいかないとしても、その対語や対照語はなんであろうか。少なくともわたしにとって、もっともしっくりする対語は、ドリフト(漂流)である。経営にまつわるさまざまなデザインに際して、目に見えないものへの目…
ドミナント・デザイン(支配的設計仕様)は、諸刃の剣だ。それは生産工程の革新を促進するが、画期的精神革新を抑制する。「これが車だ」という限定的な答えを示しているのだから、このような抑制効果をもっても仕方がない。換言すれば、大きな工夫を抑制す…
内部者が慣れきったことを疑い、同時に、能率的に足並みばかりを揃えようとする内向きの経営を打破するために注目されるのが、ステークホルダ・マネジメントである。ステークホルダのもっとも重要な使命は、社内にどっぷりとひたりきっている人びとに、見え…
何をどのように学ぶのがいいのかがわかっている世界では、学習は一重ループである。たとえば、野球のルールを教えるのに、深い内省はいらない。ルール・ブックを渡すだけで済むかもしれない。それで知識は伝わるが、新たな知識は生まれない。 これに対して、…
◎ 表マネジメントの仮定 他の人びとにやってもらうという姿勢 上に立つものの知識的優位(管理者なのだから・・) 組織にたまった知識の利用 組織知識へのアクセス権による階層(職位の権限によるパワー) 例外による管理という発想(知っているから任せる)…
この裏マネジメントを特徴づける諸仮定は、従来の管理で当然視されてきたいくつかの諸仮定(これまでの管理の常識や、古手の管理者の持論)に疑問を提示する。まずなによりも、階層上で上位だから、知識のうえでも優位だという発想がない。上に立つものでも…
アングロサクソン型の経済になってしまうと必然的に起きてしまう問題として、心配されているのが貧富の差の拡大だ。この点をどう捉えるか、ずいぶん悩んだ。これについて、町田さんが「円が動く」の中で、次のように述べている。「効率的な政策を考えれば、…
農耕民族は具体的に見える物質的な文明を作った。それに対して、見えない文明をもっていたのが騎馬民族だった。騎馬民族は都市文明的なものは服飾と武器・馬具を除き、ほとんど作っていないが、農耕民族を征服したり、農耕民族が住んでいる地域に入って居所…
最後に、アングロサクソン人間に「なった」あとに、きっと役に立つに違いない、私の一番好きなことばを、プレゼントしてこの本を締めくくりたいと思う。それはアメリカを代表する経営者である、GE社長・ジャック・ウエルチのことば"Control your destiny, …
私の講演のテーマは、金融のビッグバン・アングロサクソン型経営システムについてだったが、3時間後の閉会まぎわ、「面白かったばい。ばってん、ビッグバンが企業の淘汰、人材の淘汰につながるちゅうのは、当たり前のこと。それば知らんとは大企業のサラリ…
これは日本人と欧米人の自我の大きさと関係がある。欧米人の自我はでっかく、日本人の自我は小さい。日本人はもともとムラの中で共同で米作りをしてきたから、常にムラの論理が優先し、個の論理は押しつぶされてしまっている。何かを決めるのにも、自我はで…
しかしこの愛社精神が、いわゆる日本のサラリーマンの愛社精神とは微妙に、しかし明確に異なる。日本の場合、社員の愛情が注がれる対象は会社の屋号、立派な本社ビル、歴史などであり、象徴しているのは会社という「器」だ。が、アングロサクソン型組織にお…
トップはあくまでもスペシャリスト出身者であり、決してトップとなるために帝王学を身に付けたジェネラリストではない(かつて企業の誕生初期には二代目経営者もいたが)。(中略) それぞれの現場で一流のスペシャリストとして名を成すこと、それがトップへ…
自分の中身でなく、所属する会社の「格」に自分の存在基盤を求めるような生き方は、今後まちがいなく通用しなくなる。自分の存在基盤は、自分の中身、さらにスペシャリストとしての自分の市場価値に求めていくように変わっていく。アングロサクソンの社会で…
意見を述べる場合は、1/3の味方、1/3の敵、1/3の判別不能の相手がいるぐらいがちょうどいい。味方のメンバは入れ替わりがあるだろうが、その時々に1/3の味方がいればいい。そうすると議論が自然と白熱して、いい方向に物事が決まる。最後の1/…
各部門のヘッドは、週末返上で準備をする。日本のサラリーマンの忙しさとは異質なもので、この違いがとてもアングロサクソン的だ。 1)ヘビーな日常は、彼自身がデザインし、彼自身がその流れをコントロール。上司に働かされているわけではない。早い出社時…