経営のドリフト(一人歩き) 〜金井嘉宏さんのご本から 6

 さて、デザインの反対語、あるいは反対語とまでいかないとしても、その対語や対照語はなんであろうか。少なくともわたしにとって、もっともしっくりする対語は、ドリフト(漂流)である。経営にまつわるさまざまなデザインに際して、目に見えないものへの目配りが重要なのは、不可視のもののデザインをないがしろにしていると、それが一人歩き(漂流)してしまうからである。 
 ビジョンは、みなで議論して意識的に練りあげないと流れる。キャリアを自覚的につめていない人たちは、異動の辞令のままに漂流してしまう。戦略や組織をデザインするときに、社風(組織文化)への目配りを怠っては十分ではない。デザインをないがしろにしてドリフト状況にいったんはまってしまうと、ますますデザインしづらくなる。これは罠である。
 Too easy to become drifters. おまけにドリフターズになるのはやさしい。なぜなら、それは自分で考えないことだから

キャリアを自覚的につめていない人たちは、異動の辞令のままに漂流してしまう..こわいことです、やはりじんせいはつくるもの
ニューウェーブ・マネジメント―思索する経営