2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

情動の知性 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 10

ヌエバのマッカーン校長が説明する、「私たちは怒りについて教えるとき、怒りがほとんどの場合二次的な反応として表れる感情であることを生徒に理解させ、その一枚下にある感情に注目するよう指導しています。傷ついたから腹が立ったのか、嫉妬して怒ってい…

基本的な情動学習 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 9

情動の学習は生後まもなくから始まり、大人になるまで続く。親子の交流はどんな些細なものでも背後に情動があり、この情動のメッセージが長年くりかえされるあいだに子供自身の情緒や能力の核が形成されていく。パズルができなくて困った女児が忙しい母親の…

上手な批判の秘訣 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 8

具体的に言うこと 問題がはっきり表れている場面を捉えて批判すること。改善を要する問題点がよく見えるケース、あるいは特定部分に関する処理能力の欠如がパタンとして表れている場など。「何か」良くないと言われるだけでどこをどう変えればいいのかわから…

批判の極意 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 7

ある意味では、批判は管理職の重要な仕事のひとつだ。しかしまた気の重い、先延ばしにしたくなる仕事でもある。しかも、前出の部長のようにフィードバックの要点をマスターできていない管理職がじつに多い。これは大きな代償として企業にはね返ってくる。夫…

心を開いて聞く 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 6

夫婦の間で心を開いて話し合うための最大の秘訣は、話の範囲を当面の問題点だけに絞り、人格攻撃にエスカレートさせないことだ。心理学者で効果的なコミュニケーション・プログラムの生みの親であるジノットは、苦情を述べる際の一番上手な形式は「XYZ」…

集団に入れてもらうテクニック 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 5

ふつう、新参者は暫く黙って遊びを見ている。それから遠慮がちに遊びに参加し、非常に慎重なステップを踏みながら積極的になっていく。新参の子供がグループに受け入れられるかどうかを決定する最大の要素は、遊びの流れをよく見きわめてグループの価値体系…

才能を生かすEQ 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 4

「フロー」は忘我の境地だ。あれこれ考えたり心配している状況とは正反対だ。「フロー」状態の人間は目の前の課題に熱中するあまりすべての自意識を忘れ、日常生活の些事を−健康のことも、請求書のことも、うまくやろうという意識さえ−忘れてしまう。そうし…

希望の力 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 3

最近の研究によって、希望は苦悩の闇にささやかな光を投げかける以上のものであることがわかってきた。学校での活躍から面倒な仕事の完遂にいたるまで、希望は人生のさまざまな局面に極めて強い影響を及ぼしている。専門的に言えば、希望は単に「何もかもう…

思考と情動の調和 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から 2

感情によって私たちはまず大まかな方向性を与えられ、そこではじめて論理的知力を発揮できる、というわけだ。この世はやっかいな問題(退職金の投資方法は? 自分を幸せにしてくれる結婚相手は?)に満ちているが、経験から学習した情動の記憶(投資でひどい…

アリストテレスの挑戦 〜ダニエル・ゴールマンさんのご本から

然るべきことがらについて、然るべきひとびとに対して、さらにまた然るべき仕方において、然るべきときに、然るべき間だけ怒る人は賞賛される 怒る人は賞賛される..とりもなおさず価値観のひょうめいなので、5つの軸でもかぶそくないのは、まさに社会的感…

コミュニティ・サイトのビジネス・モデル 〜石井淳蔵さんのご本から 10

コミュニティ・サイトが成長・拡大するにつれて資金需要が増加することはすでに述べた。多くの場合、資金調達が必要になったとき、コミュニティ・サイトがビジネスと結合する機会となる。このときに備え、マネージャはコミュニティ・サイトのコンセプトを常…

成長のジレンマを越えて 〜石井淳蔵さんのご本から 9

ソニー会長の出井伸之は、インターネット化しつつある近未来のビジネスの世界を展望し、優れたアイデアをビジネス化するチャンスが広がる一方で、長期的な成長を約束するようなビジネスモデルは簡単には成り立たなくなる、と述べている。必要なのは、「簡単…

不安定化する消費の枠組み 〜石井淳蔵さんのご本から 8

インターネット上には、世界中からアクセス可能な、網の目(ウエブ)上に広がる情報空間が形成されていく。とはいえ、この情報空間の成立によって、グローバルな完全情報の市場が出現するわけではない。インターネットを介して成立するのは、限定された情報…

知覚と思考の二重性 〜石井淳蔵さんのご本から 7

すなわち、購買意思決定の結果は、必要を満たす商品を探索するプロセスと、必要としているのはどのような商品あるいは属性なのかを探索するプロセスとの交錯を反映したものとなる。購買意思決定は、選択代案の選択であるが、その背後では選択を行なう際の前…

コミュニティ・サイトのマネジメントとビジネス化 〜石井淳蔵さんのご本から 6

「市場社会が過去の製造企業主導から流通業態主導に移ったが、いまの市場社会のパワーの持ち主は消費者に他なりません。なぜならば、インターネットという媒体を通じて消費者同士で活発なコミュニケーションを行いながら関係のネットワークを広げていくため…

オートポイエシス 〜石井淳蔵さんのご本から 5

先ほどのコミュニティの定義では、コミュニティを構成するメンバがコミュニティの構成要素だと考えられている。が、そう考えると、コミュニティ・サイトが成長し衰退するプロセス〜コミュニケーションがコミュニケーションを呼ぶ をとらえられない。コミュニ…

価値はフレームに依存する 〜石井淳蔵さんのご本から 4

共通の価値がコミュニティの要件だというそのテーゼにしたがえば、aとbの2人はそもそもコミュニティを形成することはありえない。互いに共通する価値があることなど認め合ってないのだから。しかしこの事例では、2人は仲間意識をもつことになった。互い…

創造的瞬間 −コミュニティの誕生 〜石井淳蔵さんのご本から 3

おそらく、質問者が回答者になるそのとき、つまり手段としてのサイトが目的としてのサイトに変わったそのとき、彼/彼女には、そのサイトに対する仲間意識、つまりそのサイトがコミュニティとして共有化すべき価値や絆をもっているという意識が誕生したのだ…

誰かと一緒に何かをやりたい 〜石井淳蔵さんのご本から 2

インターネット的世界、オープン・ネットワーク、偶有性の様相と言葉は違っても、同じような現実がイメージされている。我々は、インターネット的世界に立ち現れるある種の秩序に注目したいと考えている。エバンスとウースターは、ビジネスにおいて最終的な…

偶有性=インターネット性の概念 〜石井淳蔵さんのご本から

ここには、インターネットが偶有的世界を作り出したのではなく、偶有的世界のなかにインターネットが呼び寄せられたという逆説が込められている。どちらが正しいか、それはここでは問うまい。偶有的=インターネット的世界が現代の支配的な様相であることさ…

ネットコミュニティは「鏡」である 〜福田敏也さんの一節から 2

「ネットコミュニティは鏡である」。ネットコミュニティをデザインするとき、私はこの考え方を大切にしています。人は出会いを求め、コミュニケーションを求めてネットに参加する。確かにそのとおりです。がしかし、同時に、人がネットに言葉を放つとき、言…