誰かと一緒に何かをやりたい 〜石井淳蔵さんのご本から 2

 インターネット的世界、オープン・ネットワーク、偶有性の様相と言葉は違っても、同じような現実がイメージされている。我々は、インターネット的世界に立ち現れるある種の秩序に注目したいと考えている。エバンスとウースターは、ビジネスにおいて最終的な拠り所は、技術でも市場でも経営資源でもなく「会社を構成するメンバの共同への意思だ」という。同様に、出井も「オープン・ネットワークの中に仕切りを作ることが大事だ」と主張し、ビジネス世界におけるコミュニティの意義を強調する。つまり、「世界はコミュニティを作ることができるプレイヤーとそうでないプレイヤーに分かれ、コミュニティを作ることができるプレイヤは、参加者との結びつきを大事にし、これを育むことによって、続々と生まれるコミュニティに対しても、競争優位を築くことができる」という。
 微かであってもそれと見極めることができる程度にまで、答えはみえているようだ。「コミュニティ」、これである。我々もそれに注目し、いわゆる「リレーションシップ・ポータル」あるいは、「コミュニティ・サイト」に注目する。エバンスとウースタによれば、インターネットの時代にあって、企業の拠り所は次々に失われ、ただ「共同への意思」だけが企業に残された唯一の拠り所になるということは先に述べたが、偶有性の時代にあって「誰かと一緒に何かをやりたい」という気持ちだけが確かなもの、とする主張を我々も理解できる

「誰かと一緒に何かをやりたい」という気持ちだけが確かなもの..とてもぼっかてき、でもげんてんの1つ
インターネット社会のマーケティング―ネット・コミュニティのデザイン