アルバイトの管理職はなぜいないのか 〜金井嘉宏さんのご本から 9

 プロセス・ファシリテータ(過程の促進者)という語を導入して、ジェネラル・マネジャの役割を再考しよう。上に立つ人は、自分のほうが部下よりなんでもよく知っていなければ、という呪縛に陥りがちだ。あらゆることで自分のほうがよく知っているというのは不可能だし、管理者としての行動を不遜にしてしまう。自分1人が知っていることの内容より、みなと何かを生み出すプロセスが、管理職には重要である。
 プロセス・ファシリテータの対語は、コンテント・エキスパート(内容の専門家)である。経営戦略を例にとると、自ら1人で考えてよい戦略を創る技量も貴重だが、それなら戦略づくりを専門にしたコンサルタントや企業参謀の仕事と変わらない。ジェネラル・マネジャに要請されるのは、自分が知らない課題ですら、それが議論され、問題解決に向かうプロセスをうまく操れることである。
 まったく知識がないのも、管理職として問題だけれども、何でも知っているつもりというのも困る。自ら内容の専門家を自負しすぎると、多くの人のアイデアを柔軟に聞くことができなくなる。より高次のビジョンを描くためにも、それは必要である。管理職は「プロセス・コンシャス」でなければならない

管理職は「プロセス・コンシャス」でなければならない..さっこんはコンテント・エキスパートとのりょうりつがよりもとめられているかのような?
ニューウェーブ・マネジメント―思索する経営