訳者まえがき 〜中島豊さんの一節から

 しかし国内においては、振り返りもされなくなってきた。最近のアメリカの経営学者は組織を効率的に動かす潤滑油のようなものであると捉え、これを「ソーシャル・キャピタル」と呼ぶようになった。著者のウエイン・ベーカは、人間関係を重視することを、これまでアメリカ人が尊重してきた個人主義を中心とした価値観から訣別するものであると指摘し、さらに、こうした人間関係は消費されてしまう資源(リソース)ではなく、適切な投資によってしかるべき配当が期待できる資本(キャピタル)であると、これまでの組織と人とのかかわりにおける伝統的な考え方や思い込みに対して180度視点が異なった見方を示している。ともすれば、情緒的ととらえられる人間関係の重要性を、科学的アプローチから主張している点も見逃せない。

うん、進歩。 ことしもたくさんのひとにお世話になりました!感謝しまっす!!
ソーシャル・キャピタル―人と組織の間にある「見えざる資産」を活用する (ミシガン大学ビジネススクール)