権限に焦点を合わせてはならない 〜ドラッカーさんのご本から 3

 肩書きや地位がいかに高くとも、権限に焦点を合わせる者は、自らが単に誰かの部下であることを告白しているにすぎない。これに対し、いかに若い新入りであろうと、貢献に焦点を合わせ、結果に責任を持つ者は、もっとも厳格な意味においてトップマネジメントである。組織全体の業績に責任を持とうとしているからである。
 貢献に焦点を合わせることによって、専門分野や限定された技能や部門に対してではなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。自らの専門や自らの部下と組織全体や組織の目的との関係について、徹底的に考えざるをえなくなる。経済的な財、政府の施策、医療サービスなど組織の算出物の究極の目的である客や患者の観点から、ものごとを考えざるをえなくなる。その結果、仕事や仕事の仕方が大きく変わっていく。
 「どのような貢献ができるか」を自問することは、自らの仕事の可能性を追求することでもある。そう考えるならば、多くの仕事において、優秀な成績とされているものの多くが、実は、その膨大な貢献の可能性からすれば、あまりにも小さなものであることがわかる。「どのような貢献ができるか」を自問しなければ、目標を低く設定してしまうばかりでなく、間違った目標を設定する。何よりも、自ら行なうべき貢献を狭く設定する

成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。自らの専門や自らの部下と組織全体や組織の目的との関係について、徹底的に考えざるをえなくなる..すべてはよげんされていた、ようなかん。 そとのせかいをみつづけて!
プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))