なぜ成果があがらないのか 〜ドラッカーさんのご本から 2

 知力や想像力や知識は、あくまでも基礎的な資質である。それらの資質を成果に結びつけるには、成果をあげるための能力が必要である。知力や想像力や知識は、成果の限界を設定するだけである。このことは当然明らかなはずである。しかしそれならば、ものごとをなすべき者の仕事の一つひとつについて山ほどの本や論文が出ている時代に、なぜ成果をあげること自体についてはずっと放置されてきたのか。理由の一つは、成果をあげることが、組織に働く知識労働者に特有の能力だからである。ごく最近まで、そのような立場にある知識労働者は、わずかしかいかなったからである。
 肉体労働者は能率をあげればよい。なすべきことを判断してそれをなす能力ではなく、決められたことを正しく行なう能力があればよい。肉体労働者の仕事は、たとえば靴のように、生産物の量や質で評価できる。われわれは既にそれらの方法についてこの100年間に多くを学んできた。その結果、肉体労働の生産性を大幅に向上させた。(中略)

 組織のそのような能力に実質的な影響を及ぼすために、知識労働者は意思決定をしなければならない。命令に従って行動すればよいというわけにはいかない。自らの貢献について責任を負わなければならない。自らが責任を負うものについては、他の誰よりも適切に意思決定をしなければならない。せっかくの意思決定が無視されるかもしれない。やがて左遷されたり、解雇されたりするかもしれない。だがその仕事をしているかぎり、仕事の目標や基準や貢献は自らの手の中にある。したがって、ものごとをなすべき者はみなエグゼクティブである。現代社会では、すべての者がエグゼクティブである

成果をあげることが、組織に働く知識労働者に特有の能力だからである..なるほど、ちりょくでもそうぞうりょくでもちしきでもない、せいかをあげるのうりょく=もくひょうやきじゅんやこうけんをじこかんりできることですね、ぎょい!
プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))