人間関係ビジネスかもしれない 〜松岡裕典さんの一節から 2

 少々唐突だが、今度は「ピュア・ネットコミュニティビジネス」を「人と人のコミュニケーションを円滑にするためのサポートビジネスである」と言い換えてみたい。つまり、ユーザの「コミュニケーション行為そのもの」ではなく、ユーザのコミュニケーションを「外側からサポートすること」をビジネスにできないかということである。

 毎日、入替り立ち替わりやってくる様々なお客さんの話に相づちを打ち、相手を見ながら適当におだてたり叱ったり、場合によっては聞かないフリをしたり、喧嘩の仲裁をしたり、場合によっては発言そのものを削除したり、ネタを振ったりという、モデレータ業務に代表される「コミュニティ運用業務」である。

 コミュニティというものがそもそも人間の集団である以上、ハンドリングはそう簡単ではなく、まして自動化など不可能である。必ずそこにはコミュニティのお世話(=労働集約的作業)をする人が必要になる。実際に、どんなコミュニティにも世話役は存在するし、その存在なしにコミュニティの円滑な運用は難しい。

 しかし、これらの運用サービスはシステムさえ作れば、あとは自然に銀行口座にお金が入ってくるというわけにはいかない。リアルなインタラクションと微妙なニュアンスによって成立する究極の1to1サービスであり、効率重視・省力化・自動化を基本とするネットビジネスとは、ある意味対極に存在するサービスである。

効率重視・省力化・自動化を基本とするネットビジネスとは、ある意味対極に存在するサービス..とはじっかんです。ここをこそたいせつにしないとたんなるらくがきに?
ネットコミュニティビジネス入門