IT革命、グローバル化、金融革命 〜岩井克人さんのご本から ７

　ポスト産業資本主義とＩＴ革命とのあいだには、より本質的な関係があります。なぜならば、差異性を意識的に創り出すことによって利潤を生み出していくというポスト産業資本主義の利潤創出方法を究極にまで推し進めると、それは「情報の商品化」に行き着くことになるからです。
　情報とは差異性です。ひとつリンゴを食べた後に、もうひとつリンゴを食べても、それはれっきとしたリンゴとして味わうことができます。もっとも、多少は食欲がおちてしまうことは確かですが。ところが、既にコンピュータのソフトウエアをひとつ使っているとき、それと同じソフトウエアを手渡されても、それは何の役にも立ちません。もうひとつのソフトウエアが情報として意味をもつためには、それが最初のソフトウエアと何らかの点で異なっていなければならないのです。同一の情報は、情報として価値を持ちません。情報とは、経済的には、まさに差異性としてしか意味をもたないのです

「情報の商品化」．．どんどんりあるになるひびですね