コーポレート・ガバナンスの実際 〜岩井克人さんのご本から 3

 そもそもコーポレート・ガバナンスとは、会社という仕組が、本来はヒトではないのに法律上ヒトとしてあつかわれるモノであるという摩訶不思議な性質をもっていることから生まれてきた問題です。わたしたちが生きている資本主義経済は、この会社という仕組を活用することによって、驚異的な発展をとげました。だが、それは同時に、私的利益の追求を前提とするこの資本主義経済のまっただなかに、経営者の倫理性という、それとまさに矛盾する原理を導入さざるをえなくなってしまったのです。それゆえ、コーポレート・ガバナンスについては、唯一の「正解」などありえません。必要なことは、それが本質的な困難をかかえているということを理解したうえで、時代に応じ、社会に応じて、たえずコーポレート・ガバナンスの方法を改良していくよりほかにないのです

私的利益の追求を前提とするこの資本主義経済のまっただなかに、経営者の倫理性という、それとまさに矛盾する原理..いきてくしゅくだいなんでしょうね
会社はこれからどうなるのか