楽観主義者と悲観主義者 〜山岸俊男さんのご本から 4

 この2つの方向が両方とも存在している可能性も十分に考えられます。
 つまり、社会的な楽観主義者は社会的知性を身につける機会に積極的に向かっていくため、次第に社会的知性が身についていきます。そうなると、だまされたりしてひどい目にあう経験も少なくなり、ますます対人関係において楽観的になっていき、そうなるとますます社会的知性に磨きをかける機会に恵まれるという循環的な関係が一方にあります。
 これに対して、社会的な悲観主義者は社会的知性を身につける機会を避けるため、社会的知性を発達させることが困難で、そのため他人との関係でひどい目にあう可能性がいつまでもつきまとっています。そうなるとますます悲観主義的になっていき、ますます社会的を発達させる機会を遠ざけるという悪循環に陥ってしまいます。
 このように理解すれば、高信頼者は低信頼者よりも他人の信頼性を示唆する情報に敏感に反応し、他人が信頼に値する行動をとるかどうかをより正確に予想できるという、先に紹介した一連の実験の結果も納得できます

なるほどー、どんどん..なわけです
安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)