自己規律と責任からなるリーダシップ 〜ドラッカーさんのご本から 9

 情報型組織のこのような利点は、組織内に相互理解と共通の価値観、なかんずく相互信頼があって、初めて現実のものとなる。おそらくこれらの利点は、資本だけによって結合されたコングロマリットとは無縁であるということである。もし演奏者の一人ひとりが楽譜を知らなければならないとするならば、共通の言葉、つまり統一のための共通の核がなければならない。経験が教えるところによれば、この核を提供できるのは共通の市場と共通の技術だけである。
(すでに金による支配に基づくコングロマリットは、次々に崩壊している。金による支配が唯一の共通言語であるような多角化は、バベルの塔のように、混乱とともに崩壊することが運命づけられている)

 情報型組織は、自由寛大な組織ではない。規律の厳しい組織である。それは強力かつ決定的なリーダシップを必要とする。一流の指揮者は例外なく、厳しい完全主義者である。一流の指揮者を一流たらしめるものは、最後列のもっとも役割の小さな楽器をして、オーケストラ全体のできを素晴らしいものにするよう演奏させる能力にある。言いかえれば、情報型組織がもっとも必要とするものは、現場からトップにいたるまで、自己規律と責任のうえに立つリーダーシップである

最後列のもっとも役割の小さな楽器をして、オーケストラ全体のできを素晴らしいものにするよう演奏させる能力..画竜点睛ですね、しかもじこきりつによる。 きびしいてんごく
プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))