じょしだいせい かいけいし 4

〜SPC(特別目的会社)の話 〜山田真哉さんのご本から 4

 「あんた、本気で言っているの? それでよく社長業を5年もやってこれたわね」
 「そう言われてもな。これまで会計や法律については、遍照部長やお宅の伴さんや文屋さんに昔から任せっきりだったし」 在原部長が何気なく言った言葉に、僕と萌さんは驚いた。
 「ちょっと待って。遍照部長はともかく、うちの伴さんや文屋さんに昔から任せっきりってどういうことよ」
 「そのままの意味だぞ。難しい会計処理は会計士に全部お任せだったし、財務諸表も作ってもらった」
 「そっ、それって完全に<二重責任の原則>違反じゃないですか! 萌さん、それっていいんですか!」僕は思わず大声を上げてしまった。なぜならそれは、監査の大前提を覆してしまう話だからである。
 「・・・よほどのことがないかぎりあっちゃいけないケースよ。でも、まさかこの会社がそうだったなんて」

まさか! っすよね.. でも?
女子大生会計士の事件簿