情報に「まとまり」をつける 〜渡辺保史さんのご本から 2

 情報建築家としてのワーマンは、自らの仕事を「理解ビジネス(Understanding Business)」と呼んできた。彼が、情報デザインの世界にのめり込む最初のキッカケとなったのは、父親のこんな言葉だったそうだ。『ブリタニカ百科事典』の中身を暗記する必要はない。そこに何が書かれているのかを見つけだす方法を身につければいい。
 ワーマンにとって、世界とは読み解かれるのを待っている巨大な百科事典のようなもので、その中身を理解する方法さえ獲得すれば、個人はもっと生き生きと、クリエイティブに仕事をし、生活を送れるようになる、というわけだろう。
 「情報をクリエイティブに組み換えれば、そこにまた新しい情報が生まれる」「情報の構造は、伝えようとする内容からひとりでに浮かび上がってくるものだ」「すべての情報が解釈であることを認めよう。そうすれば束縛を解かれ、物事を自分に役立つように理解できる」−こうしたワーマンの情報編集の「哲学」は、紙の出版物から現在のインターネットのウエブサイトの構築にいたるまで、情報デザインにかかわる多くの人々に多大な影響を与えてきたのである

すべての情報が解釈であることを認めよう、まさにてつがくですね
情報デザイン入門―インターネット時代の表現術 (平凡社新書)